福田会長の新年挨拶

   年頭の挨拶

 明けましておめでとうございます。
 二〇二一年の漢字は「金」だそうです。一年遅れのオリンピックでしたが、日本人選手の活躍は目覚ましく、過去最多の金メダルを獲得しました。アメリカでは大谷翔平選手が、二刀流で大活躍。プロゴルファーの松山英樹選手はマスターズで優勝するという偉業を達成しました。テニスの大坂なおみ選手の活躍もありました。「金」にふさわしい一年だった、と言えそうです。
 しかし、一昨年からのコロナの流行で、東京オリンピックは史上初めて無観客での開催となり、日本人選手の活躍を直接見ることはできませんでした。開催に反対する人も多く、熱気と感動のない冷めた大会となりました。
 日米のプロ野球を始め、スポーツ大会の多くが中止、もしくは無観客開催となりました。有観客でも人数制限が付けられ、熱い応援もありませんでした。
 幸いコロナは、昨年末以来、小康状態を保っているものの、感染力の強い新型が現れるなど、予断を許さない状況が続いています。コロナ禍は私たちの周囲のあらゆる分野に及んでいて、暮らしを不自由なものにしています。外出ができない。友人と会うのも憚られる、音楽や演劇の鑑賞もままならない。この二年は、不自由さに耐える二年間でした。閉塞感は募るばかりですが、心まで委縮させてはなりません。
 たとえコロナ禍が続いたとしても、心に翼を付けて、無限の世界に飛び立つことはできるはずだ、と思うのです。

   栃木県文芸家協会
   会長 福田 三男