福田会長の新年挨拶
明けましておめでとうございます。
私にとっては七十数回目の新年で、たいした感動もないと思っていたのですが、元日の朝を迎えると、やはり新鮮で特別な気持ちになるのは不思議なことです。
年々歳々。要するにマンネリです。人生がマンネリ化した結果、感動が薄れていることの証拠でしょう。
コロナのくびきから解放された昨冬、しばらく足が遠のいていた東京に出かけました。東京に住んだ若い頃、毎日利用した駅に着いて驚きました。新たに駅ビルが建てられたため、駅の構造がすっかり変わっていて、出口がわからないのです。ようやく階段を上って外に出でたとき、再び目を疑いました。昔からあった商店街が消えて、高層ビルが何棟も建っていたのです。老舗の料亭やホテルも姿を消していて、小さな喫茶店だけが昔のままに残されていました。
あらゆることが、コロナで停滞していたこの数年間でしたが、街は人知れず、活動を続けていたのだと思いました。ノスタルジーをくすぐられると同時に街の、つまり人間の営みの確実さに少し感動したのでした。
世界には戦争があり、疫病があり、環境問題があります。我々は世の中の動きから無縁でいることはできませんが、それに一喜一憂するばかりでなく、止まることなく進んでいくことが大切なのだと思います。
2024年は、変わるのか、変わらないのか。分かりませんが、変わるには、変えようという意思が大切なのでしょう。年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず。